残業代を含めた、年俸制を導入する時の注意点

Q.給与を12ヶ月分と、賞与を5カ月分とした年俸制を導入したいと考えています。 何か、問題点があるでしょうか?


A.
年俸制のメリットとデメリット
年俸制は、毎年、前年度の成果により1年間の収入が決まります。そのため、一定の業績を上げる必要のある管理職にとっては、企業内の役割と、期待される成果を明確にしやすい制度といえます。
デメリットとしては、業務遂行が短期的視点の下で行われやすいということです。また、自分の業績にとらわれるあまり、組織全体の業績向上への配慮を失う傾向が生じます。


賞与の問題点
賞与額完全固定型の年俸制にすると、割増賃金の算定基礎や社会保険料の算定の基礎になります。
一方、賞与変動型(実際の支給額が確定しているわけではない)の年俸制として導入した場合は、割増賃金や社会保険料の算定の基礎からは除外されます。
(社会保険料の方は、賞与にも保険料がかかりますから、大きな問題はないと考えます)

残業代の問題点
 年俸制を導入したからといって、残業代を支給せずにすむ訳ではありません。
残業代を支給せずにすむのは、完全に経営と一体化している管理職のみです。
 
一般の従業員については、割増賃金をとりあえず固定額で支払うという方法もあります。
このような割増賃金の支払方法は必ずしも違法ではありませんが、実際の労働時間によって計算した割増賃金の額が固定額による残業手当を上回る場合には、差額を支払う必要があります