業務効率が悪く、仕事を家に持ち帰る社員の残業手当は?

 

Q.業務効率が人一倍悪く、他の従業員さんの半分程しか仕事が進まない従業員さんがいます。本人も効率が悪いことが自分でもわかっていて引け目を感じているのか、会社には黙って、仕事を自宅に持ち帰っているようです。

 このような場合も、残業手当を支給しないといけないのでしょうか?

A.基本的に支払わなくてもよいです。


<解 説>
この場合、「残業代」の問題と、仕事を「持ち帰る」というふたつの問題があります。わけて考えて見ましょう。

◆残業代の問題◆
労働基準法は、従業員を週に40時間を超えて働かせる場合は、割増賃金を支払わなければならないと定めています。
 割増賃金は、使用者の指揮命令下で行った残業時間を基に計算されるのが一般的です。

 会社が職場以外での仕事を禁じているのに従業員が勝手に自宅で仕事をした場合、原則として、残業代を支払う必要はありません。

 裁判例でも、「命令に反して仕事をしても労働時間には含まれない」との判断を示しました。
 このこのケースでは、従業員は時間内に仕事がこなせない場合は役職者に引き継ぐように命じられていました。

 一方、持ち帰り残業が常態化していた労働者の自殺では、労災認定を受けたケースもあります。

◆仕事を自宅に持ち帰る問題◆
 一部のアンケート結果では、6割の人が残業を家に持ち帰ったことがあると答えています。もはや、日本の社会は持ち帰り残業無しでは、成り立たないのかもしれません。しかし、情報漏えいなどの問題が起これば、責任の所在が問われることになり、企業も大きな損失を背負うことになります。


以上のようなことから、まず、業務量が適切であるかどうか見直します。
本人には、持ち帰り残業は、残業代がでないことや、情報漏えいのリスクがあることを理解してもらいましょう。 その上で、効率が上がるよう教育指導し、尚、他者より大きく効率が劣るようであれば、職種転換も視野に入れた方がいいかもしれません。