Q&A 社員とパートに異なる通勤費と注意点

 

Q.通勤費の支給をどのようにしたらよいか、迷っています。
社員にのみ支給し(マイカー通勤者が多く、遠方の者もいる)、パートさんには不支給にしたい(近所に住む主婦が多い)と考えています。
このような差異のある規程を設けることに問題ないでしょうか?


A.可能ですが、注意していただきたいことがあります。

通勤費は、「賃金」の一部ではありますが、法律で支給しなければならないと定められている賃金ではありません。ですから、支給基準は各企業が就業規則によって定めていくことになります。

就業規則を作成する場合には、すべての従業員に適用されるものを作成しなければなりませんが、すべての従業員について必ずしも同一のものでなければならないということではありません。
そこで、適用範囲の異なる就業規則を作成することになります。

適用範囲を異にした就業規則で、通勤費の支給・不支給を定めることは可能です。

しかしここで、留意していただきたいことがあります。

1.改正パート労働法
平成20年4月1日施行の改正パート労働法第8条では、パートタイム労働者であっても、通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者については、賃金の決定や、教育訓練、福利厚生等、待遇を同等にしなければならないと定められています。
通勤費も賃金の一部ですから、「通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者」には注意が必要です。

2支給基準の明確化
所得税の非課税限度額の範囲<国税庁へリンク>で、金額を決定している企業が多数を占めています。しかし、昨今のガソリン代の高騰で、非課税限度額を超えて支給する企業も増えているようです。もちろん非課税限度額を超えることも違法ではありません。その場合は、所得税の対象となります。

また、月額にするのか? 日額にするのか?
月額で定めた時は、欠勤・有給休暇時・休職時などは、控除するのか?しないのか? 
バイク通勤者にはどうするか?
公共の交通機関を使っている者にはどうするか?
などなど、一口に「通勤費」とはいいますが、様々な問題があります。

後から不満がでないように、明確な基準を定め、周知しておくことをお勧めします。
不満の種は、モチベーションの低下、ひいては、企業業績にも関わってくることになります。
折角、法定以上の手当を支給するのに、不満の種をまくようでは意味がありません。


お尋ねのケースを振り返りますと、パートさんたちが、近隣在住者が多いという状況と「通勤費」の性格を考え併せますと、同一の基準を設けた方が、かえって不公平感がないように思われます。