自社の社員が裁判員に選ばれたときの中小企業の対応について

 

裁判員制度が2009年5月からスタートします。
それに伴い2008年11月28日から裁判員候補者に「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」が、発送されることになりました。

自社の従業員が裁判員に選定された時の企業の対応について考えてみたいと思います。

1.自社の社員が裁判員に選出されたら、休ませなくてはならないのか?
 本人が出席するといえば…裁判員は労基法上の公務扱いとなりますから、会社は止めることができません。 

 本人が辞退するといえば…裁判員に選ばれた時に辞退できる理由はいくつかありますが、仕事を理由に裁判員を辞退するためには、「自分の替りがいない」「著しい損失」などの理由が必要です。
 裁判所が裁判員候補者の勤務している企業規模や、従事している仕事の代替性、おかれている状況など個別具体的に判断していくことになります。現時点においては判断基準が明確でない部分もありますが、代替性に関しては、中小企業には大企業より、緩やかな判断が示されるだろうと考えられています。

 


2.有給休暇にするのか? 無給休暇にするのか? 
国は企業に対して、裁判員制度への出席を理由に不利益な扱いをすることを禁じていますが、有給休暇にすることまでは求めていません。また、国は裁判員に対して、日当8000円~1万円(時間によって減額もあり)や、交通費、などを準備しています。
 であるならば賃金に関しては、有給でも無休でも、一部支給でもよい訳です。「休暇」に関する事項は、就業規則の絶対的記載事項です。トラブル防止の観点からも就業規則に明記しておく必要があります。

 


3.裁判員制度に自社の社員が選ばれた時の対応を今から考えておくことが大切。
 裁判員が扱う対象となる事件は、全国で年間約3000件と推定されています。これは、平均して1人が生涯のうち1回裁判員になる数値です。

 審理にかかる期日は、事件の7割が3日以内に終わりますが、1割の事件では6日以上の審理が必要になります。限られた人員しかもたない中小企業において、欠員ができることは問題です。それが1週間以上もの長期にわたる可能性を考えると事態はさらに深刻です。

自社の従業員が裁判員に選出される可能性を現実感をもって捉え、欠員ができた時の対応を今から考えておくことが重要だと考えます。